平成7年、私は留学を機会に諸外国の色々な糖尿病センターを訪問しました。
その際、当時の日本はシステムの在り方やスタッフの役割の果たし方について、
彼らより20年ほど遅れていると感じました。世界中で最先端の糖尿病センターからは、
1)糖尿病治療の基本は外来診療であり、病院との連携が大切である。
2)患者さんと医療従事者はお互いを尊重することが大切であり、果たすべき責任が各々にある。
3)各医療従事者が自分の役割を十分に果たすことができれば、患者さんにとって非常に大きな力になる。
ということを学びました。

 診療所を開設するにあたり、高松赤十字病院勤務時、患者さんは専門的医療を望んでいると感じていましたので、糖尿病・内分泌代謝疾患の専門とし、外国で学んできた「スタッフ全員でチームとして診療にあたる」診療所を目指しました。そして患者さんの人生観や今までの生き方を尊重する診療をしたいと思い、英国のヨーク糖尿病センターの「看護師がコーディネーターとなる」という考え方を基本にしました。医師の指示のもとでスタッフが働くという、これまでの日本的な診療の在り方では難しいと考えたからです。 

 現在も毎年ヨークの糖尿病センターと交流を続けています。診療所を開設後には「診療所は患者さんとスタッフの両者で創られる」という事を感じました。私たちも患者さんたちの役に立てるよう、医学的なことだけでなく色々なことを一生懸命勉強し、提供できるよう努力をします。患者さんたちも、通院されている他の患者さんたちが気持ちよく通院できるようご協力いただきたいと思います。糖尿病・内分泌疾患は長い病気です。お互いが協力しながら、患者さん・スタッフともに心地よい空間を作ってゆきたいと思います。

とみおか内科クリニック院長 冨岡幸生

院長プロフィール

・昭和50年 岐阜大学医学部卒業
・昭和50年 岐阜大学医学部第3内科入局
・昭和52年 岐阜大学医学部内科助手
・昭和56年 高松赤十字病院第4内科副部長
・昭和61年 高松赤十字病院第4内科部長
・平成7年  英国ヨーク病院内分泌糖尿病センター留学
 この間
・ジョスリンクリニック(米国)
・国際糖尿病センター(米国)
・ステノ糖尿病センター(デンマーク)
・トロント大学(カナダ)
・グーテンベルグ大学(ドイツ)
  等の糖尿病センターで研修

・平成10年 とみおか内科クリニック院長

資格

内科学会認定医
糖尿病専門医
内分泌代謝専門医
内分泌代謝指導医
糖尿病学会評議委員